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さいしゅうせんそうろん
最終戦争論・戦争史大観
石原 莞爾
石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页
決戦戦争にあっては武力第一で外交内政等は第二義的価値を有するにすぎないけれども、持久戦争に於ては武力の絶対的位置を低下するに従い外交、内政はその価値を高める。ナポレオンの「戦争は一に金、二にも金、三にも金」といった言葉はますますその意義を深くするのである。即ち決戦戦争では戦略は常に政略を超越するのであるが、持久戦争にあっては逐次政略の地位を高め、遂に政略が作戦を指導するまでにも至るのである。
戦争の目的は当然国策に依って決定せらるるのである。この意味に於てクラウゼウィッツのいわゆる「戦争は他の手段をもってする政治の継続に外ならぬ」、しかし戦争の目的達成のため政治、統帥の関係は一にその戦争の性質に依るものである。
政治と統帥は通常利害相反する場合が多い。その協調即ち戦争指導の適否が戦争の運命に絶大なる関係を有する。国家の主権者が将帥であり政戦略を完全に一身に抱いているのが理想である。軍事の専門化に伴い近世はかくの如き状態が至難となり、フリードリヒ大王、ナポレオン以来はほとんどこれを見る事が出来なかった。最近に於てはケマル・パシャとか蒋介石、フランコ将軍等は大体それであり、また第二次欧州大戦に於てはヒットラーがそれであるが如くドイツ側から放送されているが、それは将来戦史的に充分検討を要する。