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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

論者が次第に勢いを得たのである。

ドイツの統帥権の独立はこの事情を最もよく示している。

フリードリヒ大王以後統帥事項は当時に於ける参謀総長に当る者より直接侍従武官を経て上奏していたのであるが、軍務二途に出づる弊害を除去するため陸軍大臣が総ての軍事を統一する事となっていた。大モルトケが参謀総長就任の時(一八五七年心得、一八五八年総長)はなお陸軍大臣の隷下に在って勢力極めて微々たるものであった。一八五九年の事件に依って信用を高めたのであったけれども、一八六四年デンマーク戦争には未だなかなかその意見が行なわれず、軍に対する命令は直接大臣より送付せられ、時としてモルトケは数日何らの通報を受けない事すらあったが、戦況困難となりモルトケが遂に出征軍の参謀長に栄転し、よく錯綜せる軍事、外交の問題を処理して大功を立てたのでその名望は高まった。国王の信任はますます加わり、一八六六年普墺戦争勃発するや六月二日「参謀総長は爾後諸命令を直接軍司令官に与え陸軍大臣には唯これを通報すべき」旨が国王より命令せられ、ここに参謀総長は軍令につき初めて陸軍大臣の束縛を離れたのである。