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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

2、横隊戦術

横隊戦術は火器の使用により発達したのであるが、依然火器の使用には大なる制限を受けるのみならず運動性を欠くことが甚だしかった。しかしながら、専制的支配を必要とする傭兵であったため、十八世紀中には遂にこの横隊戦術から蝉脱する事が出来なかった。

主将は戦役(戦役とは戦争中の一時期で通常一カ年を指す)開始前又は特別な事情の生じた時、「会戦序列」を決定する。この序列は行軍、陣営、会戦等の行動一般を律するものである。会戦のためには、その序列に従い、横広(大王時代通常四列、プロイセンに於ては現に三列)に並列した歩兵大隊を通常二戦列と、両翼に騎兵を配置し、当時効力未だ充分でなかった砲兵はこれを歩兵に分属して後方に控置したのである。

盲従的規律を要する傭兵には横隊を捨て難く、しかも指揮機関の不充分はかくの如き形式的決定を必要としたのであるが、行軍よりかくの如き隊形に開進し、会戦準備を整うる事は既に容易の業でなく、またかくの如き長大なる密集隊形の行動に適する戦場は必ずしも多くなく、かつ開進後の整いたる運動は平時の演習に於てすら非常な技術を要する。敵火の下ではたちまち混乱に陥ることは明らかであり、また地形の影響を受くる事は極めて大きい。