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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

即ち敵軍主力の殲滅に最も重要なる作用をなす会戦が戦争の中心問題であり、その会戦成果の増大に徹底する事が作戦上の最大目標である。

会戦成果を大ならしむるためには敵を包囲殲滅する事が理想であり、それがためモルトケ時代からは特に分進合撃が唱導せられた。会戦場に兵力を集結するのである。即ち分進して軍隊の行動を容易にし、会戦場にて兵力を集結し特に敵の包囲に便ならしめる。

しかるにナポレオンは通常会戦前に兵力を集結するに勉めた。もちろん常にそうではなかったので、例えば一八〇六年の晩秋戦、一八〇七年アルレンスタインに向う前進、およびフロイシュ、アイロウ附近の会戦、一八〇九年レーゲンスブルグ附近に於けるマッセナの使用、一八一三年バウツェン会戦に於けるネーの使用等は一部または有力なる部隊を会戦場に於て主力に合する事を計ったのである。しかしその場合もフロイシュ、アイロウでは各個戦闘を惹起して形勢不利となり、またバウツェンでも統一的効果を挙げる事は出来なかった。それはナポレオン当時の軍隊は通信不完全で一々伝騎に依らなければならないし、兵団の独立性も充分でなかった結果、自然会戦前兵力集結主義としなければならなかったのである。