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さいしゅうせんそうろん
最終戦争論・戦争史大観
石原 莞爾
石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页
ルーデンドルフは潜水艇戦術その他彼の諸計画は皆殲滅戦略に基づくものだと主張している。殲滅戦略、消耗戦略問題でデルブリュック教授と頻りに論争したのであるが、特にルーデンドルフは両戦略の定義につき曖昧である。政治の干渉を排して無制限の潜水艇戦を強行したから殲滅戦略だと言うらしいが、我らの考えならば潜水艦戦は厳格な意味に於て殲滅戦略とは言い難い。
露国の崩壊によって一九一八年西方に大攻勢を試みたルーデンドルフはこれを殲滅戦略の断行と疾呼する。その軍事行為の一節を殲滅戦略と云い得るにせよ、ルーデンドルフにはあの戦略を最後まで徹底して実行し、大陸の敵主力を攻撃し、少なくも仏国に決戦戦争を強制せんとする決意ではなかったのである。即ち、持久戦争中の一節として殲滅戦略を行なったに過ぎない。フリードリヒ大王が持久戦争の末期に困難を打開せんとして断行したトルゴウ会戦と類を同じゅうする。
ルーデンドルフが一九一八年の三月攻勢の攻勢方面につき、クール大将の提案であるフランデルン攻勢とサンカンタン攻勢を比較するに当り、戦略上から云えば前者を有利と認めている。しかるにサンカンタン案をとったのは専ら戦術上の要求に依ると称している。