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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

答 しかり、人類の歴史あって以来、戦争は絶えたことがない。しかし今日以後もまた、しかりと断ずるは過早である。明治維新までは、日本国内に於て戦争がなくなると誰が考えたであろうか。文明、特に交通の急速な発達と兵器の大進歩とによって、今日では日本国内に於ては、戦争の発生は全く問題とならなくなった(三五頁)。文明の進歩により戦争力が増大し、その威力圏の拡大に伴って政治的統一の範囲も広くなって来たのであるが、世界の一地方を根拠とする武力が全世界の至るところに対し迅速にその威力を発揮し、抵抗するものを迅速に屈伏し得るようになれば、世界は自然に統一されることとなる(三五頁)。

更に問題になるのは、たとい未曽有の大戦争があって世界が一度は統一されても、間もなくその支配力に反抗する力が生じて戦争が起り、再び国家の対立を生むのではなかろうかということである。しかしそれは、最終戦争が行なわれ得る文明の超躍的大進歩に考え及ばず今日の文明を基準とした常識判断に過ぎない。瞬間に敵国の中心地を潰滅する如き大威力(三七頁)は、戦争の惨害を極端ならしめて、人類が戦争を回避するに大きな力となるのみならず、かくの如き大威力の文明は一方、世界の交通状態を一変させる。