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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

国体を擁護し皇運を扶翼し奉るための武力の発動が皇国の戦争である。

最も平和的であると信ぜられる仏教に於ても、涅槃経に「善男子正法を護持せん者は五戒を受けず威儀を修せずして刀剣弓箭鉾槊を持すべし」「五戒を受持せん者あらば名づけて大乗の人となすことを得ず。五戒を受けざれども正法を護るをもって乃ち大乗と名づく。正法を護る者は正に刀剣器仗を執持すべし」と説かれてあり、日蓮聖人は「兵法剣形の大事もこの妙法より出たり」と断じている。

右のような考え方が西洋にあるかないかは無学の私は知らないが、よしあったにせよ、今日のかれらに対しては恐らく無力であろう。戦争の本義は、どこまでも王道文明の指南にまつべきである。しかし戦争の実行方法は主として力の問題であり、覇道文明の発達した西洋が本場となったのは当然である。

日本の戦争は主として国内の戦争であり、民族戦争の如き深刻さを欠いていた。殊に平和的な民族性が大きな作用をして、敵の食糧難に同情して塩を贈った武将の心事となり、更に戦の間に和歌のやりとりをしたり、あるいは那須の与一の扇の的となった。こうなると戦やらスポーツやら見境いがつかないくらいである。