轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
おぐしだって、見事に混りけのない真白で、赤茶けたのなんかよりは、どんなに美しいか知れやしませんわ」
彼女はそんな風に、このわしを褒めたたえるのだ。
わしは彼女と親しくなるにつれて、父親が娘をいたわる様に、時として彼女の身体に触ることもあれば、手を握ることさえあった。そんな時、瑠璃子は、何気なくわしの手を握り返して、ニッと艶めかしい笑顔を向けるのだ。
その度毎に、わしはまるで背筋へ氷でも当てられた様に、ゾーッと身の毛がよだった。うっかりしていると、復讐のことなぞ忘れて、真から身も心もとろけてしまう様に思われた。
彼女はその頃はもう、あてがい扶持の別邸住いになっていたが、そこから川村の目を忍んで、独でわしのホテルへ遊びに来ることもあった。
ある月のよい晩に、ホテルのバルコニーへ出て、瑠璃子と二人きりで、話をしたことがある。わしは今もその時の何とも云えぬ変な気持を忘れることが出来ない。
わしは月の光りを全身にあびて、籐椅子に凭れていた。瑠璃子は、うしろから、椅子の肩によりかかって、肩越しにわしの顔を覗き込む様にして、あの悩ましい微笑を見せていた。
月光が彼女を夢の国の妖精の様に美しく見せた。