轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
サア、こう考えて来ると、この畳の斑点が何であるかも、薄々分る様な気がするではありませんか」
誰も答えるものはなかった。薄暗い室内に、青ざめた三人の顔が、物の怪の様に浮いて見えた。瑠璃子川村の恐怖は云うまでもないが、お人好しの住田医学士も、ここまで聞いては、さてはと一切の秘密を悟らぬ訳には行かぬ。
誰もわしが故意にこの秘密をあばいたとは思わぬ。ただ偶然に発見したのだと思っている。それがまだしも仕合せというものだ。この大秘密をあばいている男が、実は、死んだとばかり思い込んでいた大牟田子爵のなれの果てと知ったら、姦夫姦婦は、そのまま息の根も絶えてしまったかも知れない。
「で、その子供は、どうしました。警察へお話しになりましたか」
やっとして住田医学士が不安らしく尋ねた。
「イヤ、警察へ届けたところで、徒らに母親を苦しめるばかりです。済んだことは致し方ありません。その母親も恐らくはこれにこりて、二度と不義いたずらはしないでしょう」
だが瑠璃子よ、安心してはいけないぞ。警察沙汰にしないのは、その実わしの慈悲心からではなく、法律などの企て及ばない大復讐を為しとげる為の方便にすぎないのだから。