轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页

青空文庫

「川村さんでございます」

取次に出たわしの番頭の志村が復命した。

「よし、わしは先に庭のお堂へ行っているから、お前は云いつけて置いた通り、川村を案内するのだ。いいか、しっかり頼んだぞ」

云い捨ててわしは、そのお堂へと走って行った。

皆さんは御記憶じゃろう。いつかわしが姦夫姦婦に、黄金の秘仏を納める煉瓦造りの倉庫を建築中だと話して聞かせたことを。今お堂と云ったのは、即ちその奇妙な倉庫のことなのだ。わしはそこへたどりつくと、建物の片隅に設けられた、狭い機械室の中へ身を潜めた。

お堂の中に機械室があるのかって? 御不審は尤もじゃ。併しまあ話の続きを聞いて下さい。今に何もかも分るのだから。

さて、これからあとは、その異様なお堂の中へ案内されて来る川村の気持になってお話した方がよく分る。で、暫くの間わし自身は蔭の人物となって姦夫川村義雄がお話の主人公だ。

川村がこの別荘へ何をしに来たか。わしの想像に違わず、彼はポケットに古風な九寸五分を忍ばせて、わしの反省を促した上、若し聞入れぬ時は、その場を去らずわしを殺害する決心であった。彼は瑠璃子を失った悲しさに、殆ど気が違っていたのだ。