轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
低い天井の真中から、五燭程のはだか電燈がぶら下って、それが風もないのに、ブラブラと動いている。動く度に、床から壁に這い上っている川村自身の影が、不気味に揺れるのだ。
そればかりではない。電線がどこかで切れてでもいるのか、そのフラフラ電燈は、時々お化けの様に、パッと消えては又輝く。どうも、ただ事ではない。
川村は変な気持になって、外へ出ようとして扉を押し試みたが、さっきのはやっぱり鍵をかけた音であったと見え、びくとも動かぬ。
「オイ、ここをあけろ。俺をこんな所へ押しこめて、どうしようというのだ」
怒鳴りながら、拳で叩くと、扉はガーン、ガーンと鐘の様な音を立てる。厚い鉄板で出来ているのだ。貴重な黄金仏を納める金庫だから、鉄の扉に不思議はないが、併し人間の川村まで、仏像と同じ様にその金庫の中へ閉じ込められる道理がないではないか。
あっけにとられて佇んでいると、又してもお化け電燈がパッと消えて、コンクリートの箱の中は、あやめも分かぬ闇となった。しかも今度は消えたまま、急に明るくなる様子もない。
川村はもう怒鳴る元気も失せて、底知れぬ気味悪さに圧えつけられた様に、黙りこくっていた。