轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
瑠璃子は他愛なく相好をくずし、子供の様に躍り上って喜んだ。嬉しさに手を叩かんばかりであった。
アア、宝石の魅力の恐ろしさよ。瑠璃子程の妖婦を、まるで十歳の少女の様に、真底から喜ばせ、有頂天にしてしまったではないか。闇夜の怖さも、墓場の物凄さも、キラキラ光る鉱物の魅力に比べては、物の数ではなかった。
瑠璃子の頬は昂奮の為に桜色であった。目は貪慾に燃え輝いた。そして、あの笑顔! わしは瑠璃子のこんなに愛らしい笑顔を、まだ一度も見たことはなかった。
「夢見たいだわ。お伽噺みたいだわ。あたし女王様にでもなった様だわ」
彼女は世迷言を呟きながら、飽かず宝石を弄んでいたが、やがて、ふと気がついた様に、残り二つの棺桶に目を注いだ。
「あなた、こちらの箱にも、やっぱり宝物が入っていますの?」
「ウン、又別の宝物が入っているのだ。お前その燭台を持ってこちらへ来てごらん。わしが蓋をあけて見せて上げるから」
瑠璃子は云われた通りにして、第二の棺の開かれるのを待った。
「ソラ、のぞいてごらん」
わしは重い蓋を持上げて、やさしく云った。
瑠璃子は、蝋燭をさしつける様にして、棺の中を覗き込んだ。