轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页

青空文庫

覗き込んだかと思うと、はね返される様に飛びのいた。燭台が手を離れて地上にころがった。

「何だか変なもの。あれ何ですの」

彼女は今にもワッと泣き出し相な震え声で尋ねた。

「もう一度よく見てごらん。お前にとっては宝石よりも大切な宝物だよ」

わしは転がった燭台を拾い上げ、それで棺の中を照らしながら云った。

瑠璃子は遠くから、及び腰になって、その変なものを覗き込んだ。

「マア、死骸! 気味が悪い。早く蓋をして下さい。若しやそれは……」

「お前の先の旦那様ではないよ。ごらん、顔なんか生前のままだ。お前の旦那様の大牟田子爵の死骸なら、こんなに新しくはない筈だよ」

瑠璃子は、段々真剣な顔になって、その死骸をじっと見つめていたが、彼女の相好は見る見る変って行った。そして、震える唇が大きく開いたかと思うと、何とも云えぬ物凄い叫び声が洞窟にこだました。彼女は両手を目に当てて、遠くの隅へ走って行った。あとからお化けが追駈けてでも来る様に。

「瑠璃子! お前の情人と、お前がそのおなかから産み落した赤ん坊の死骸だ。分ったか」

わしは、突然大牟田敏清の声になって、重々しく云い放った。