轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まと

魔都

久生 十蘭

「新青年」博文館、1937(昭和12)年10月~1938(昭和13)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 293,999 字 · 578 页

青空文庫

と地団駄をふむ。

日本における新興コンツェルンの双璧。一方は熊本の山奥の僅か八百キロの電気会社から出発して今では構成会社二十七、払込資本三億円。北満の事業王とまでいわれる小口翼の日興コンツェルン。一方は房総半島の漁村・廃物利用の微々たる沃度会社からのし上げ、スエーデンのマッチ王クロイゲルのマッチ・トラストに対抗し、林興業を主力とする直系傍系二十四社、公称資本二億二千万円の大構成となった林謹直の林コンツェルン。

ともに国防産業を目指すこの二大コンツェルンは、その資源を仏領印度支那において開発すべく、一昨年の冬頃から安南を舞台にして華々しく鎬を削ることになったが、小口は見越過ぎて親仏派の皇甥李光明と結びついたため、逸早く宗皇帝を相談役に抱え込んだ林の日安鉱業に一歩立遅れ、採掘面積六十万坪、年五万瓩の優良ボーキサイト(アルミニュームの原鉱)の採掘権を林に先取されてしまった。小口の日興がこれを黙って見ている筈がないと思っていたところ、最近果して日興は、裏面から李光明擁立派を突ついてしきりに何事かを画策しているという噂が林の耳に伝わって来た。こういう穏かならん際に、皇帝が単身ひょっくり日本へやって来られたということは、林にとっては実に大恐慌で、先月の廿四日に帝国ホテルのロビイで皇帝を発見して以来、皇帝の身の上に