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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁
「はい、手前どもの別棟でございますが」
「ここならばいいのね……。静かそうで……どこからも、見えない」
「あちらの母屋にも、よいお部屋がございますが」
「番頭さん、ちょうどここにいらっしゃるのは、女のお方のようだし……私もここに泊らせてもらえませんか」
「ところが、もうおひと方、ちと気ごころのむつかしいご隠居がいらっしゃいますのでな……」
「かまいません。私はいいけれど……」
「後ほど、お帰りになりましたらば、合宿をご承知くださるかどうか、伺ってみますが」
「じゃあその間、彼方の部屋でやすんでいましょうか」
「どうぞ。……あちらの部屋だって、きっとお気に召すと存じますが」
手代に従いて、朱実は旅籠の表口へまわって行った。
「…………」
お通は遂になにもいわずにしまった。なぜ一言でも訊いてみなかったかと、後では悔いるのであったが、それがいつもいけない自分の性質らしい――と独りで思い沈んでしまう。
今行った女と武蔵は、いったいどういう間がらなのか。
それだけでも知りたい。
五条大橋で見かけた時には、かなりな時間を二人で話していた、いやそれもただの程度ではない、果ては彼女が泣き、武蔵がその肩を抱いていたではないか。