輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁
七
「かんがん様からお返し」
といって、紹由と光悦の前へ、うやうやしく文箱をさしおいた。
こちらからは、軽い気もちで、戯れの結び文でやったのに、作法振った文箱の返し方に、
「改まったな」
と、紹由はまず苦笑する。
そして光悦と顔を見あわせ、
「まさかこよい、わしどもが来ておろうとは思わなかったろうから、連中も、きっと驚いたに違いないわさ」
と、遊戯的に何かこう、してやったりというような気持で、さて、文箱のふたを開き、返辞の手紙をひろげてみると、それはなにも書いてないただの白紙ではないか。
「……? おや」
紹由はほかにこぼれた紙でもあるかと、自分の膝をながめ、念のため、文箱の中をもういっぺん覗いてみたりしたが、その白紙一枚のほか、何物もはいっていない。
「墨菊太夫」
「はい」
「これはなんじゃ」
「なんですかわたくしには分かりませぬ。ただ、返辞を持ってゆけと仰っしゃって、これを、かんがん様から渡されたので持って来ただけでござりまする」
「ひとを、小馬鹿に召されたな。……それともこちらの名歌に、すぐ筆をとってよこすほどの返歌もうかばで、あやまったという降参状かな」
なんでも自己のよいように解釈して、やたらに興がるのが紹由のもちまえらしい。