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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

五

したが、唯今のことは、まあお聞き流しの上、どうぞ、清十郎、伝七郎ふたりのために、何分、ご加担をおねがい申す」

如才なく、源左老人は、この精悍な慢心青年を、いい気持にさせて、宥めぬいた。

五

これだけの備えがある以上、小次郎一人の助太刀など頼るにも当らない。けれど、この若者の口から自分たちの卑怯な戦法が吹聴されてはと、それを源左老人はおそれたにちがいない。

「なにとぞ、水に流して」

と、懇ろな謝りように、小次郎は前の怒りようとは、打って変って、

「いや御老人、そう年上のあなたから何遍も頭を下げられると、若輩の小次郎はどうしてよいか分らなくなる。まずお手を上げてくだされい」

案外、あっさり機嫌を直して――それと共に、吉岡方の者へ、例の流暢な弁舌で、こう激励の辞を述べ、そして、武蔵のことを、口を極めて罵り出した。

「わしは元より、清十郎殿とはご懇意だったし、武蔵には、さっきもいうた通り、なんの由縁もない人間です。――さすれば人情としても、知らぬ武蔵よりは、御縁故のある吉岡衆に勝たせたいと思うのが当然でござろう。――しかるになんたる不覚です、二度までの敗北とは。