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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

「そうでない、胴を離れたお通の首を見てからじっと考えてみるがよいわさ。美貌がなんじゃあ……美しい女子も死ねば白骨……色即是空を目に見せて進ぜよう」

「うるせえッ、うるせえッ」

又八は、狂わしげに、強くかぶりを振って、

「……アーア。考えてみると、おれの望みはやっぱりお通だった。時々、これじゃいけないと思って、なにか立身の途を捜そう、なにか一つ励みを出そうと、真面目な奮発が起るのも、その時には、お通と添うことを考えているからだった。――家名でもねえし、こんなくそ婆アのためでもねえ。――お通が望みにあったればこそ」

「よしないことをいつまで嘆いておじゃるぞ。その口で念仏でもいうてやったがまだましじゃぞ。……なむあみだぶつ」

いつの間にか、婆は又八の前へ出て、血を撒き散らしたような灌木や枯草を掻き分けていた。

……その底に、黒い仏体が俯つ伏している。

婆は、草や枝を折り敷いて、いんぎんにその前へ坐った。

「……お通、わしを恨むな、仏となれば、わしもそなたに恨みはない、すべては約束ごと。頓証菩提」

手で探り寄りながら――探り当てた黒髪らしいものをきゅっとつかんだ。