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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

四

母子でお通を殺めたであろうが」

そういうだろうと待っていたように、婆はとたんに首を突き伸ばして笑った。

「沢庵坊、提燈持ってあるいても、眼を持って歩かにゃ世の中は暗やみじゃぞ。おぬしの眼は、飾り物か、ふし穴か」

四

この婆に翻弄されることには、沢庵もどうしようがないらしい。

無智はいつでも、有智よりも優越する。相手の知識を、恬として無視し去ってしまう場合に、無智が絶対につよい。生半可な有智は誇る無智へ向って、施すに術がないという恰好になってしまう。

ふし穴か、飾り物かと、婆に罵られた眼をもって、沢庵がその場をよくよく検めると、なるほど、死骸はお通ではなかった。

で――ほっとした顔を彼がするとすぐ、

「沢庵坊、ほっとしたであろうが。おぬしは、そもそも、武蔵とお通とをくッつけた不義の媒人じゃほどにの」

と、多分に遺恨をふくんだ口ぶりでいう。

沢庵は、逆らわずに、

「そう考えているなら、そうしておくもよい。――だがおばば、おぬしの信心ぶかいことをわしは知っているが、この死骸をすててゆく法はあるまい」

「死に損のうていた行き仆れ、斬ったは又八じゃが、又八のせいじゃない。