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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

わざとのように慇懃に、

「その節は、立会人として、なにかとご配慮を。かつまた、ただ今は、いろいろ拙者に対して苦言を聞かしていただき、あれにて他ながら、有難いと思って聞いていました。――自分から考える世間と、世間が観ている自分の真価とは大きな違いがあるが、滅多にほんとの世間の声は聞かれない。それを其許が、昼寝の夢に聞かせてくれたと思うと、忝い心地がする。――忘れずに憶えておりますぞ」

「…………」

忘れずに憶えている――彼の一句に、小次郎は全身が鳥肌になった。これは穏やかな挨拶に似ているが、小次郎の胸に受けて聴けば遠い将来をかけて番えて来た挑戦として当然に響く。

また。

(ここではいわぬが)

という含みも言葉の裡にある。

おたがいが、さむらいだ。虚偽をゆるさないさむらいであり、曇りを捨ておけない剣の修行者である。是非を舌の先で争ってみたところで、水掛論に終るしかあるまいし、それで済むほど小さい問題でもない。尠なくとも、武蔵にとって下り松のあのことは、畢生の大事業であり、道に参進する者の浄行とも堅く信じているのである。そこに一点の不徳、一毫の疚しさも抱いていない。