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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

四

いつぞや六条柳町の総門の前で、双方のあいだに立って口をきいたあの前髪若衆、佐々木小次郎がそこに突っ立って、

「眼はないのか、戦う前から眼が上がっていられるな。わしを武蔵と間違えて突ッかかるような浮き腰では心ぼそい。わしは、今朝の試合の見届け人として来たのだ。立会人へ、藪から棒に――いや藪から槍を突きつける馬鹿者があるか」

と、例の大人びた高慢顔で、そこらの吉岡門人を叱りつけているのだった。

四

しかし、此方も気の立っている折ではあるし、小次郎のそうした態度に、不審を抱く者もあって、

(こいつ、臭いぞ)

(武蔵に助太刀を頼まれて、先に様子を見に来たのかも知れぬ)

吉岡方の者は囁いて、手出しは一応控えたものの、彼のまわりを解こうとはしないのであった。

そこへ十郎左衛門が駈けつけて来たので、小次郎のひとみはすぐ衆を捨てて、割り込んで来た十郎左衛門へ喰ってかかり、

「立会人として今暁これまでまいったるに、吉岡衆はわしをも敵と見てかかった。これはそもそも貴所のお指図でありまするか。しかるとせば、不肖ながら、佐々木小次郎も、久しく伝家の物干竿に生血の磨ぎを怠っていたところで――勿怪の倖せといいたいのだ。