輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

七

お通もまた、なにも今、そんな心にもないことをいって、武蔵に背を向けている必要もなかろうに――やはり城太郎という者が一枚抜けて、二人きりになったと思うと、遽に胸がつまって、なにからいい出していいのか、急に自分の体が持て余されて来るのであろう。

羞恥みは、健康な時よりも、病んでいる場合のほうが、生理的にも、強いものかもしれない。

七

いや、羞恥は、お通ばかりではない。武蔵も横を向いていた。

一方は背を向けて俯向き、一方は横を向いて空を仰いだまま……これが幾年も幾年も、会わんとしては会い難かった二人の、たまたま、許された一瞬の寄り添いだった。

「…………」

どういおう。

武蔵にはその言葉が見つからない。

どんな言葉をもっていっても、自分の心を現わすには足りないからであった。

すさび吹く千年杉の真っ暗な一夜――あの夜明けからのことを、武蔵は瞬間に胸にえがくことができる。眼には見て来なかったが、それからの五年あまりの彼女の歩いて来た道を――また一途に通して来た清純な気持を――武蔵は決して受け取っていないのではない、感じていないわけではない。

多岐な、複雑な、彼女の生活と、身に燃え現わされた純愛の炎と、唖のように無表情で、灰のように冷たく人には見せて来た自分の情熱の埋火と――いずれが強くいずれが苦しかったかといえば、