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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

五

まあよいではありませんか。――先ほど、あなたが母へ話していたのを伺うと、あなたは今朝、蓮台寺野で吉岡家の嫡子と試合をなされたお方でしょう。戦の後の一ぷくの茶ほどよいものはない――と、これは加賀の大納言様も家康公もよく仰っしゃっていた言葉です。茶は養心です。茶ほど心を養ってくれるものはありません。動は静から生じるものと私は思う。……まあお話しなされ、わたくしもご相伴いたしましょう」

五

かなり距離はあるが、やはりこの野つづきである蓮台寺野で、今朝がた自分と吉岡清十郎との試合があったことを、この光悦は知っていたのか。

それを知りながら、そんなことはまるで、よその世界の騒ぎとして、静かにこうしていたのか。

――武蔵は、もいちど光悦母子の姿を見直した。そして、坐り直した。

「では、せっかくですから、頂戴してまいりましょう」

光悦はよろこんで、

「おひきとめするほどではありませんが」

と、すずり筥の蓋をして、絵の反古がとばないように筥をのせておく。

光悦の手に持たれてそれが動いた時、厚い黄金や白金や螺鈿でくるまれているような筥の面が、燦然と玉虫の体みたいに光って眼を射たので、武蔵は思わず身をのばしてのぞき込んだ。