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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁
四
四
――だが、衆の力というものはもとよりそう脆いものではない。
一度は武蔵の敏速と、彼の剥き出しなたましいの圧倒に、
「ひッ、退くなっ」
腰も踵も、浮いて見えたが、
「多寡が唯一人」
と、衆が衆の力を自覚し、その強味を負って、先頭の二、三名が、
「うぬっ」
「おれが仕止めるっ」
身を挺して行くと、後の者もそれを見てはいなかった。わっという喊声だけでも、一個の武蔵よりは遥かに強い。
怒濤へ向って泳ごうとするように、武蔵は闘いつつ後へ後へと押されるのみで、敵を斬るより身を防ぐに急だった。
手許へのめり込んで来て、斬れば斬れる敵すら措いてジリジリ退がって行く。
この場合、二人や三人の敵を斬っても、相手は総体の力からいえば、なんの痛痒も感じないばかりでなく、間髪を過れば、槍が伸びてくるからである。――太刀の切ッ先には、およそ「間」を取っていることができるが、大勢の中にいて、穂先を縮めている槍には「間」を察している遑がない。
吉岡方は、勢いに乗った。
タタタタッ――と武蔵の踵は後退がりに引くばかりなので、ここぞと飽くまで押したのである。武蔵の顔はすでに蒼白なのだ。