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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

士道のある侍なら、牢人であろうと、誰であろうと、お気易くお会いなされる質じゃ。それがしから御推挙もいたそう。ぜひおいでなされ。――ちょうどこうした御縁の折、何ならば、御同道申してもよいが」

膳を下げてから、外記は、熱心にこうすすめたが、武蔵は一応、「考えた上で」と答えて、臥床にわかれた。

べつな部屋へわかれて、枕についてからも、武蔵は眼が冴えていた。

――士道。

じっと、そこに、思索をあつめているうちに、彼は、忽然と、それを自己の剣に省みて悟った。

――剣術。

それではいけないのだ。

――剣道。

飽くまで剣は、道でなければならない。謙信や政宗が唱えた士道には、多分に、軍律的なものがある。自分は、それを、人間的な内容に、深く、高く、突き極めてゆこう。小なる一個の人間というものがどうすれば、その生命を托す自然と融合調和して、天地の宇宙大と共に呼吸し、安心と立命の境地へ達し得るか、得ないか。行ける所まで行ってみよう。その完成を志して行こう。剣を「道」とよぶところまで、この一身に、徹してみることだ。

――そう心に決定をつかんでから、武蔵はふかく眠りに落ちた。