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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

二

刻を争うほど、重い怪我人じゃ。手当次第で助かるかもしれぬ。寝床? ――どこでもよいわ、はやく静かな所へ」

耕介のほかに、その怪我人を担って、尾いて来た人々も、

「傷口を洗う焼酎はあるか。なくば自宅から取って来るが」

とか――

「医者へは、わしが飛んで行ってくる」

とか、ややしばらく、ごたごたしている気配であったが、やがてひと落着きすると、

「ご近所の衆、どうも有難うございました。どうやら、お蔭様で命だけは、取り止めそうな様子でございますから、安心して、お寝みなすって下さいまし」

挨拶しているのを聞くと、どうやらここの主の家族でも、不慮な災難に出会ったかのように――武蔵には思われた。

そこで、捨て置けない気がしたのであろう、武蔵は、膝の木屑を払って、中二階の箱段を降りて行った。そして廊下のいちばん隅から灯りが洩れているのでさし覗くと、そこに寝かしてある瀕死の負傷の枕元に、耕介夫婦が、顔を寄せていた。

「……オオ、まだ起きておいでなされましたか」

振返って、耕介は、そっと席をひらく。

静かに、武蔵も、枕元へ坐って、

「どなたでござるか」

燈下の蒼い寝顔をのぞきながら訊くと、