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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁
「……え、どこぞへ、お供するのでございますか」
「そちの待っている話を今夜つけてやろうほどに」
「あ……では今のお手紙は、又八様からでございますか」
「なんなとよいがな、そなたは黙ってついて来ればよいのじゃ」
「それでは旅宿の厨へ、早くお膳部を持ってくるようにいうて参りましょう」
「そなた、まだか」
「お婆様のお帰りを待っておりましたので」
「よけいな気づかいばかりしていやる。わしが出たのは午前、今まで食べずにおられようか。午と夜食をかねて外で奈良茶のめしを済ましてきました。わが身まだなら急いで茶漬なと食べなされ」
「はい」
「音羽山の夜はまだ肌寒かろう、胴着は縫えているか」
「お小袖はもう少しでございますが……」
「小袖を訊いているのじゃない、胴着を出してたも。それから足袋も洗うてあるか、草履の緒もゆるい。旅宿へ告げて、わら草履の新しいのをもろうて来ておくりゃれ」
返辞がしきれないほど、婆のことばが次から次へお通を追う。
なぜという理由もなく、お通はそのことばに一つも反抗はできなかった。黙って見ていられる眼にさえ、心が竦むのである。
草履をそろえて、
「お婆様、お出ましなさいませ、お供をいたしまする」