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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

それは、僧の言葉だった。

それに対して、ていねいに、なにか礼をのべているのは、案内されて来た方の者で――

「いや、せっかくお休みのところを、お邪魔いたして申しわけありません。……あの彼方の樹の下に、二人ほど佇んでおるようですから、あの者が、蓮華王院で待つといってよこした当人かも知れません」

「では、たずねて御覧なさい」

「ご案内は、もうここまでで結構です、どうぞお引取りくださるように」

「なにか、雪見でもなさろうという御会合で?」

「まあ、そんなものです」

と、一方は軽く笑う。

僧は手燭を消して、

「いわでもがなのことではありますが、もしこの廂のお近くで、さっきのように火でもお焚きになる場合は、どうぞ、後の残り火だけはご注意くださいますように」

「わかりました」

「では御免を」

僧は、そこの扉を閉めて、庫裡のほうへ立ち去ってしまう。

残っていた一方の者は、じっと伝七郎の方を見ながらしばらく佇んでいた。そこは廂の蔭で、ほかの雪明りが眼を刺すように強いために、そこの暗いのが、よけいに濃く感じられるのであった。

「誰? 兵助」

「庫裡の方から出てきたようですが?」

「寺の者ではないらしいぞ」