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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

「この街道が三つに分れているので、武蔵がどこから来るかそれが考えものだ。同勢をすべて三手に分けて、途中に伏せ、下り松には名目人の源次郎様に、壬生の源左どの、その他、旗本格として御池十郎左、植田良平殿など、古参方が十名ほどひかえておられたらよろしかろう」

地形を案じていう者があると、また一人が、

「いや、ここの足場は狭隘だから、あまり一ヵ所に人数をかためておいてはかえって不利だろう。それよりも、もっと距離をおいて、武蔵の通り道にかくれ、いちど、武蔵の姿をやり過してから、前と背と、いちどに起って、ふくろ包みにすれば万討ちもらすことはあるまい」

と、一説を立てる。

人数の多数からおのずとわきあがる意気は天をも衝くように見えた。離れたり集まったりする影法師には皆、長やかな刀の鐺か、横たえている槍の影が串刺しになっていた。そしてその中には、一人の卑怯者らしいものもなかった。

「――来た、来た」

まだ十分に時刻は早いと分っていながら、彼方から一人が叫んで来ると、すぐに、ぎくっと肌のうぶ毛が凍るような心地して、影法師は皆しいんと黙りこくった。

「源次郎様だ」

「駕でござったな」