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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

そこで彼は、

「惚れたと仰っしゃるのは、いかなる意味でございましょうか」

愈、真面目に、こう問い直すと、外記はもう次にいうことばを待っていたように、

「――実は、一乗寺下り松のお働きを伝え聞いて、失礼ながら、今日まで、見ぬ恋にあこがれておったのじゃ」

「ではその頃、京都に御逗留でございましたか」

「一月より上洛して、三条の伊達屋敷におりましたのじゃ。あの一乗寺の斬合いがあった翌日、何気なくいつも参る烏丸光広卿をお館にたずねてゆくと、そこで種々な尊公の噂。お館は一度、尊公とも会ったことがあると仰せられ、お年ばえや、閲歴なども承って、愈※(二の字点、1-2-22)思慕のおもいに駆られ、どうかして一度、会いたいものと念じていた願いかなって――今度の下向に、計らずも尊公が、この道を下っているということを――あの塩尻峠に書いておかれた立札で承知したのでござる」

「立札で?」

「――されば、奈良井の大蔵とかをお待ちになる由を、札に書いて、道ばたの崖へ立てて置かれたであろう」

「ああ、あれを御覧になられたのですか」

武蔵はふと世の中の皮肉をおぼえた。――此方で探し求める者とは巡り会わずに、かえって、思いがけない無縁の人にこうして探し当てられているとは――