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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

「てまえどもは、伏見を引払って、江戸の方へ移りますので」

「なぜあんな古い廓を捨て、まだどうなるかも知れない江戸表へなど移るのだ」

「あまり澱んでいる水には、腐えた物ばかり湧いて、水草は咲きません」

「御新開の江戸へ行ったところで、城普請だの弓鉄砲の仕事はあろうが、まだ遊女屋などの、悠長な商売は成り立つまい」

「ところが、そうじゃございません。灘波の葦を拓り開いたのも、太閤様より妓の方が先でございますからね」

「何よりも、住む家があるまいが」

「今、どしどし家を建てている町中の、葭原という沼地を、何十町歩と、私たちのために、お上から下さいました。――でもう他の同業者が、先へ行って地埋めをしたり、普請をいたしておりますから、路頭に迷うような心配はございません」

「なに、徳川家では、おぬしのような者にまで、何十町歩という土地をくれているのか。――それは無料か」

「たれが、葭の生えている沼地など、金を出して買うものがございましょう。そればかりでなく、普請の石材木なども、多分にお下げくださるので」

「ははあ……なるほど、それでは上方から、世帯を担いで、皆下るはずだ」

「あなた様も、何か、御仕官の口でもあって」