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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁
「渡る世間に鬼はないというが――ほんに小次郎殿といい、半瓦の身内の衆といい、わしのような老いさらぼうた者を、ようして賜もる志……何というてよいやら。これも観世音の御庇護でがなあろう」
と、洟をかまないばかり、涙ぐんでいうのだった。
話がしめっぽくなりかけたので半瓦が、
「――時に小次郎様。最前、あなた様が河原で討ち果しなすった四人は、あれはどういう人間どもでござりますな」
と、訊ねると、待っていたように、小次郎が、それからの得意な雄弁であった。
「アア、あれか――」
と、先ず最初は事もなげに一笑して、
「あれは、小幡の門に出入りする牢人で、先頃から五、六回ほど、わしが小幡を訪れて議論しておると、いつも横合から口をさし挿み、軍学上のことばかりか、剣についても小賢しくいうので、さらば隅田河原に来い、幾名とでも立対って、巌流が秘術と、物干竿の斬れ味を見せて進ぜるといったところ、今日五名して待つというので出向いたまでです。……一人は立合うとたんに逃げおったが、いやはや、江戸には、口ほどもないのが多くて」
とまた、肩で笑う。
「小幡というのは?」
と、訊ね返すと、