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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(五)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 508,883 字 · 1017 頁

青空文庫

「その折の詳しい事情は、伏見の町で調べてあるし、おぬしが正直者だということも見ておるのだから。――だが、わしは国もとにいる天鬼様の遺族に対して、なにか、慰めるものを提げて行かなければ帰れない事情にあるのだ。そこには、いろいろな理があるが、主なる理由は、天鬼様を殺めた下手人がないことだ。これにはわしも弱ってしもうた」

「おれが……おれが殺したのじゃないぞ。……おいっ、おいっ、間違えてくれては困る」

「わかってる、わかってる。――そこは十分承知しているが、遠い上州にある草薙家のご遺族たちは、天鬼様が、城ぶしんの作事場で、土工や石工などになぶり殺しになったのだとはご存じないし、また、左様なことは、外聞がわるくて、身寄りの者や世間へも披露いたし難い。そこで、おぬしには気の毒な頼みだが、どうかおぬしが天鬼様を殺した下手人となり、この源八に、主の敵となって、討たれてもらいたいのだが、なんと聞き入れてはくれまいか」

これこそ、ことをわけての頼みというものであるが、又八は、そう聞くと、いよいよもがいて、

「ば、ばかなことをっ……嫌だっ、嫌だっ、おれはまだ死にたくない体だ」