Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 144,562 characters · 291 screens
――その上、あれだけの女房があっちゃ」
「好い女ですね、親分。元は芸者だと言うが」
「左手の小指が半分から先ないだろう。――柳橋から出ている頃、起請代りに切ったのさ。一生懸命隠してはいるが」
「へッ、へッ、お安くねえ内儀だ」
ガラッ八はペロリと舌を出しました。
番所へ行くと、事件があまり変っているのと、升屋の家格が大袈裟なので、奉行所へ出かける前、与力の笹野新三郎が見廻って来ておりました。
「平次、大変な事があったそうだな」
「お早うございます。――全く大変なことで、あっしも途方に暮れました。死体が見付かったんですから、下手人を捜さなきゃなりませんが、何分七年も前の事じゃ――」
「まア、諦めたもんじゃあるまい。その井戸掘をやった、二人を調べてみよう」
「それより外に工夫もございません」
「当ってみるがいい」
笹野新三郎は、鷹揚に頷いて上がり框に腰をおろしました。
「手前達は、何だってあんな仏様を掘り出したんだ。お上には御慈悲がある、手数を掛けずに言ってしまったらどうだ」
八五郎に縄尻を掴ませて、平次は二人の前へ立ちました。町奉行のお白洲は型ばかりで、下調べは大抵こうして埒を明けたのです。