Japanese reading practice

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 144,562 characters · 291 screens

Aozora Bunko

いや驚いたの驚かないの」

三吉親爺はそう言って首を振りました。年にしては少し老けていそうで、顔の皺にも、曇った眼にも、曲った腰にも、何となく労苦が刻まれているようです。出は、上総の知行所、先代の庭掃きの株を譲られたまでで、身分にも何の変哲もありません。

平次はそんな事にして引揚げることになりました。

「村川の旦那、隠さずにおっしゃって下さい。殿様はこれまでずいぶん罪を作ってお出でしょうね」

これが、菊内の胸倉を掴むようにして訊ねた最後の問です。

「左様」

「御女中で、目を掛けられたのは、何人くらいあるでしょう」

質問は具体的です。

「お町が三人目で――」

「その前のはどうなりました」

「申上げにくいことだが、――一人は奥方のお憎しみを受けて自害し、一人は不義の疑いがあって、御成敗を受けたよ」

「それが怪しいじゃございませんか。村川の旦那、その身内の者はどうしているんです。名前は?」

平次はせき込みました。

「自害したのはお小夜といってな。三年前に死んだ時は十八だった。両親には過分のお手当を下すったはずだ。下谷で安楽に暮しているよ」

「旦那は御存じで」

「よく知っている」