Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 141,130 characters · 288 screens

Aozora Bunko

驚いたね、どうも、なんだってあんな拵え事を言ったんで?」

ガラッ八も、さすが驚きました。辻の八卦屋みたいな高慢な顔をしていった言葉が、全部いい加減な出鱈目だとすると、それはいったい何を意味することになるでしょう。

「今に判るよ」

平次はあまりそれに立ち入りたくない様子です。

「娘が覗いていた土竈の仕掛けも嘘ですか、親分」

「あれだけは本当さ」

「ヘエ――」

ガラッ八にはますます判らなくなります。

「あの懐中ばかり見ていた息子も、銭箱の裏ばかり覗いていた娘も、逃げたと見せて、じつは俺の話を葭簀の外で聴いていたよ。俺はあの二人に土竈の仕掛けの事を聴かせてやりたかったんだ」

「ヘエ――?」

ガラッ八にはいよいよ以て解りません。

「二三日前にお秀が来て、変なことがあるから、お前を用心棒に貸してくれといった時から、俺はあの家を見張っていたのさ、――そして、あの水茶屋の親爺の留助というのは、中国筋の大藩の浪人者で、鳴川留之丞という者の世を忍ぶ姿と知ったんだ、――そのうちに一と騒動始まるよ。見ているがいい」

「ヘエ――」

ガラッ八は何が何やら解りませんが、平次はどうやら重大なことを嗅ぎ出して、その発展まで大方察している様子です。