Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ロザリオのくさり

ロザリオの鎖

永井 隆

Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

娘のころ強盗が押し入って大刀を突きつけたことがあった。おツネさんは、起き上がると、ちょっとごめんくださいと室を出た。強盗は背に刀の切っ先を突きつけたままついて来た。おツネさんはゆうゆうとはばかりに入ってしまった。強盗は外でぶつぶつ言いながら待っている。やがて、お待たせいたしましたと出て来たおツネさんは室に帰り、小だんすを開け、ひとたばの紙幣を取り出し、一円、二円、三円、四円と数え始めた。強盗は、数えなくてもいいからさっさとよこせっ、と刀を肩に当ててせき立てるがおツネさんは二十五円、二十六円とゆうゆう数え終わって、さあどうぞ、金高に間違いないか、おあらためくださいましとあいさつしたものだ。強盗のほうがもじもじして、あわてて引きあげた。あくる日強盗はすぐ捕らえられた。紅のついた紙幣をつかったので足がついたのである。おツネさんははばかりに入って、口紅をつけておいて、指先をくちびるでしめしては一円、二円と数え、紙幣一枚一枚に紅をくっつけておいたのだった。

そのおツネさんだったから、母子二人の命の瀬戸際にありながら、油汗を流してゆう然と自然に生まれるのを待っていたのだった。