Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
後蜀三十年
一
誰と比較したら似ていると思うか」と、かさねて問うた。
すると、老翁は、
「わたくしの覚えている諸葛丞相は、べつだん誰ともちがった所はございません。けれども今、あなた様のいらっしゃる左右に見える大将方のように、そんなにお偉くは見えませんでした。ただ、丞相がおなくなりになってから後は、何となく、あんなお方はもうこの世にはいない気がするだけでございます」
と、いったということである。
仲達の言もよく孔明を賞したものであろうし、山陽の一詩も至言にはちがいないが、私は何となくこの老翁のことばの中にかえってありのままな孔明の姿があるような気がするのである。
丞相ノ祠堂 何レノ処ニカ尋ネン
錦管城外 柏森々
階ニ映ズ 碧草自ラ春色
葉ヲ隔ツ黄 空シク好音
三顧頻繁ナリ 天下ノ計
両朝開濟ス 老臣ノ心
師ヲ出シテ未ダ捷タズ 身先死ス
長ク英雄ヲシテ 涙襟ニ満シム
孔明を頌した後人の詩は多いがこれは代表的な杜子美の一詩である。陽の廟前に後主劉禅が植えたという柏の木が、唐時代までなお繁茂していたのを見て、杜子美がそれを題して詠ったものだといわれている。
後蜀三十年
一
孔明なき後の、蜀三十年の略史を記しておく。