Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
二
「そこへ来た部隊は、どこの何者の手勢か」と。
すると、王平の偽装隊は、なおのろく近づいてきながら、ようやくすぐ側へ来ると口々にいった。
「輸送方の者ですよ」
「輸送方とは即ちわれわれのことだ。汝らはどこの輸送方だ」
「きまっている。蜀の諸葛丞相の命をうけて運搬に来た者だ」
「何っ。蜀勢だと?」
仰天して立ち直ったが、そのとき魚の泳ぐように馬をはやめて部隊の真ん中へ跳びこんで行った王平が、
「おれは蜀の牙門王平だ。岑威の首と、木牛流馬は残らず貰いうけたからそう思え」
と、ひときわ目立つ魏の大将へ斬ってかかった。
彼が目がけた者は誤りなく敵将の岑威だった。岑威は狼狽して全隊へ何か号令を下していたが、王平と聞いて、さらに胆をつぶし、得物を揮って抗戦したが、たちまち王平の一撃に遭って、馬上から斬って落された。
不意であり、闇夜である。
ことに、戦闘力に弱点のある輜重隊なので、指揮官たる岑威が討たれると、魏兵は四分五裂して、逃げ散った。王平はすぐ、「それっ。流馬を曳け、木牛を推せ」と部下を督した。千余輛の木牛流馬を分捕り、道を急いで、以前の北原へ引っ返して行った。
北原は魏の一基地である。