Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
五
「あのような不嗜みなことは、朝廷の儀礼と尊容を甚だしく紊すものです。笑った者を処罰しようではありませんか」
廟堂監察の吏は、問題として、これを取り上げ、一応、孔明のところへ相談に来た。
すると、孔明はこういった。
「われなお忍ぶ能わず。いわんや左右の衆人をや」
彼は、取り上げなかった。
孔明は笑いはしなかったが、やはり心のうちで、おかしさを覚えていたのである。――自分の身にとってすら忍び得なかったことを、衆にたいして罪として問おうというのは法の精神に悖るとなしたものであろう。
孔明が戦場で死んだと聞いたとき、この周はその夜のうち成都を去って、はるばる途中まで弔問に駈けつけて行った。その以後、離京した者は、官吏服務規程に問われて、反則の咎をうけたが、真っ先に行った※(「言+焦」、第3水準1-92-19)周だけは、何の問責もうけなかった。
――衆論に囚われず、劉禅に開城をすすめた彼は、まずそういう風な人物だったのである。
五
開城を宣すると、蜀臣はその旨を魏軍へ通告した。
城外には、魏軍の奏する楽の音や万歳の声が絶えまなく沸き立っている。蜀宮の上には降旗が掲げられ、帝は多くの妃や臣下を連れて城外へ出た。