Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
二
そしてこれの戦場にある期間を約三月と定め、百日交代の制を立てた。――要するに百日ごとに、二軍日月のごとく戦場に入れ代って絶えず清新な士気を保って魏の大軍を砕かんとしたものである。
蜀の建興九年は、魏の太和五年にあたる。この春の二月、またも急は洛陽の人心へ伝えられ、魏帝はさっそく力と恃む司馬懿仲達を招いて、
「孔明に当るものは、御身をおいてほかにはない。国のため、身命をつくしてくれよ」
と、軍政作戦すべてを託した。
「曹真大都督すでにみまかる。この上は微臣の力を尽して、日頃のご恩におこたえ申し奉らん」
司馬懿は早くも長安に出て、全魏軍の配備に当った。すなわち左将軍張を大先鋒とし、郭淮に隴西の諸軍を守らせ、彼自身の中軍は堂々、右翼左翼、前後軍に護られて、渭水の前に、大陣を布いた。
二
祁山は霞み、渭水の流れも温んできた。春日の遅々たる天、久しく両軍の鼓も鳴らなかった。
仲達は一日、張と会って語った。
「思うに孔明は相変らず、兵糧の悩みに種々工夫をめぐらしているだろう。隴西地方の麦もようやく実ってきた頃だ。彼はきっと静かに軍を向けて、麦を刈り取り、兵食の資に当てようと考えるにちがいない」