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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme

Aozora Bunko

五

五

もとより夏侯楙は蜀につく気は毛頭ない。放されたのを幸いに、魏へ逃げ帰る心だった。

「さては姜維はもう蜀へ降伏して出たか。それでは冀城へ行っても仕方がない」

彼は急に道をかえて、天水城へ向って走った。その途中でも、たくさんな避難民を路傍に見かけた。それに訊いてみても皆、異口同音に、姜維の寝返りと、蜀兵の掠奪を訴えること、初めに聞いたとおりであった。

「いよいよ姜維の変心は事実だ」

と信じて、夏侯楙は心も空に天水へ急ぎ、城下につくと、門を叩いて、

「われは馬夏侯楙である。ここを開け」と、呼ばわった。

太守馬遵は、驚いて彼を迎え入れ、いったいどうして無事にお帰りあったかと訊ねた。

※(「馬+付」、第4水準2-92-84)馬は、仔細を語った。

「憎むべきは姜維だ。彼の変心は疑いもない」と、憤った。

すると、梁緒は、断然、

「いま姜維が敵へ降るなどということは信じられない。何かの誤聞でしょう」

と云い張ったが、夜に入ると、蜀の軍勢が四門を取り巻いて、柴を積み、火を放ち、かつ一人の将が先頭へ出て、

「城中の人々よ、よく聞け。この姜維は、夏侯馬のお命を助けんものと、身を蜀に売って、命乞いをいたしたのだ。