Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
二
敗将諸葛瑾は、ついに残る兵力を口まで退いて、味方の後軍に救援を求め、魏軍は、
「幸先よし」と、勇躍して、さらに次の作戦に向って、満を持していた。
二
蜀の孔明、魏の仲達、これに比する者を呉に求めるなれば、それは陸遜であろう。
陸遜は、呉の総帥として、その中軍を荊州まで進めていたが、巣湖の諸葛瑾が大敗した報をうけて、「これはいかん――」と、早くも当初の作戦を一変して、新たな陣容を工夫していた。
魏の出撃が、予想以上迅速で、かつその反抗力の旺盛なことも、彼のやや意外としたところであった。
「連年あれほど渭水で、軍需兵力を消耗していながら、なおこれだけの余力を保有しておるか」
と、底知れない魏の国力に、今さらながら愕いた。
「序戦に敗れたのは、諸葛瑾の科というよりは、むしろ呉人の魏国認識が足らなかったものといえる」
陸遜は、表を以て、呉帝に奏した。それは今、新城へ攻めかかっている味方をして、魏軍のうしろへ迂回させ、敵曹叡の本軍を、大きな包囲環のうちに取り囲もうという秘策だった。
初め、陸遜も諸葛瑾も、魏の主力は、おそらく新城の急に釣られて、その方面へ全力を向けるだろうと思っていたのである。