Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
五
と、孔明は膝を寄せて、親しく説いた。
「城中に入って、楊陵によく利害を説き、夏侯楙を生擒って降り給え。それは貴公のみならず親友の為でもあろう」
五
崔諒は首を垂れた。沈痛な面色でやや久しく考えこんでいたが、やがて決然と、
「参りましょう。高命を果してお目にかけます」
「難事だが、事成れば、ひとり御身だけの洪福ではない」
「その代りに丞相。――ここの囲みを解いて下さい」
「よろしい」
孔明は、直ちに、全軍を二十里外へ退けた。
秘命を帯びて崔諒は城へ入った。そして南安の太守楊陵と会談した。ふたりは親友である。ありのままを、崔諒は友に告げた。
「ばかをいうな。今さら魏の恩に反いて、蜀に降服などできるものか。むしろ君がそういう秘命をうけてきたのを幸いに、謀の裏を掻いて、孔明に逆手を喰わせてやろうじゃないか」
もとより崔諒もその気なのだ。ふたりは揃って夏侯楙の前に行った。
夏侯楙はよろこんで、面白し面白し、どういう逆計で一泡ふかせるかと乗り気になった。
楊陵がいう。
「ご苦労でも崔諒にもういちど孔明の陣中へ帰って貰うことですな。こういうのです。――楊陵に会って降参をすすめたところ、楊陵も蜀に降りたい気は大いにあるが、いかんせん城中では打ち明けて共に事をなす部下の勇士も少いので、警固のきびしい夏侯楙馬を生擒ることができないと」