Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

「いやあね、何なのよ」

「お前がたのことさ、いずれ。――あのひと、長男じゃないっていう話だったね」

伸子は怪訝に思い、

「ええ、なぜ?」

と、母の面を見た。

「じゃあ他家へ入れるわけだね」

「さあ……」

「そうじゃないか、後継者があれば、二男からは自由じゃないか。――実はね、いろいろお父様とも御相談したんだが、どうせお前、離れられないんなら、いっそ佃を養子にしたらどうかと思うんだがね」

伸子は、

「――どうして?……」

と、目を瞠った。

「――変じゃないの、家にはちゃんと和一郎だって保だっているのに」

「それはそうさ、家のためじゃないよ、何もこんなこと――お前達のために考えたことにきまってるじゃないか」

伸子には、母の云う意味がはっきり飲みこめなかった。飲みこめないながら、彼女は本能的に強い警戒を感じ、

「私達のためって――私達は私達でやって行けてよ」

と云った。多計代は、はがゆそうに、

「だから、お前は世間知らずだと云うんだよ」

と、きめつけた。

「第一、考えて御覧、学校のことだって、お父様の紹介や何かがあったからこそ、ああやって津村さんも直ぐ引受けて下すったんじゃないか。