Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
そう云って、彼女は涙をこぼした。
おとよさんは、伸子と下手な五目並べなどしながら、身の上の不安を訴えた。彼女は新町にも、従って町への買物にも、ほどなく出かけなくなった。後で、彼女は、縁談が持ち上っていた歯科医とあって、自分から断って来たことを話した。――伸子は、女性の生活の様々な、しかし一様に思うようには行っていない標本を眺めているように感じた。祖母にしろ、おとよさんにしろ、みんな暮したいようには暮していない。それでも生きつづけてはいる。どんよりと蠢きながら暮している。伸子は自分が、生活の不満に降参しないのを頼もしく思った。彼女らを見ていると、伸子は、しんからこう云う生活をしたくなく思い、邪魔は除け、根気よく人生にぶつかって、こうと思う生活を開こうという熱意が湧くのを感じた。幾代かの家族の中に、せめて一人ぐらい、愉快に一生を回想できる女があってもよいではないか?
六月の中旬に、和一郎が徴兵適齢で、検査を受けに来た。彼らは、そう沢山はない仲よい姉弟の一組であった。伸子は、久しぶりで彼と数日田舎で暮せるのがよろこびであった。和一郎は、近年肋膜を患ったので、乙種か、丙種かもしれなかった。