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Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

飽きず反覆している。――反動主義の男は、相手がないのでいつか静かになった。

いきなり、ドドーンと地を震わせて爆音がとどろいた。電車の窓硝子が一どきにビリリとした。

「やったな」

待ちくたびれ、ぼんやりしていた乗客は、俄に活気づいて窓外を見た。半分焼け遺り、孤独に突立っていた煉瓦の大建築の残骸の横から、濛と黄色っぽい大きな煙が昇った。続いてもう一つ爆音。悠々と立昇った煙が、まだ棚びいている前の煙と重々しく合した。煙が散ると、もう、さっきの高い建物は跡かた無くなっていた。空の広さ、日の燦きが異様にはっきり感じられた。雄大な寥しい光景であった。

ふと、女の泣きながら物を云う声が伸子を驚かした。気がつくと、彼女の隣りに、三十五六のやつれた女房が包みを抱えて腰かけていた。ドドーンと爆音がした瞬間、その女はいたたまれないようにきょろつき、誰にという当もなく、

「ここにいて大丈夫でしょうか、ね、大丈夫なんでしょうか」

と口走った。その声が、泣きながら唇を吸いこんでしゃべるように響くのであった。

「――皆さんがいらっしゃるから大丈夫なんでしょうが……」

しかし、ドドーンと土煙が彼方にあがると、彼女は再び怯えて自制を失った。