Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

いろいろごたごた畳まり、しかも底に何事が伏在しているのか予測がつかないところから、両親は居心地わるい迷惑さで、ひどく不機嫌なのであった。その感情は伸子に理解できるのだが、何だか佃の側に立ち、自分をとっちめたり、あやまらせたりしたいような彼らの心持が伸子を傷けた。夫婦間のごたごたが夫婦の間だけに止まらず周囲に波及し、厭わしい心の陰翳をそれに連れて見せ合わなければならない。自分の責と思ったが、伸子は、夫を愛してもいけないと云い、嫌ってもいけないと云うらしい親心の微妙な作用を皮肉に情なく感じた。

佃に送った手紙のことを話すと、親達は沈黙した。やがて多計代が、

「――一生の大事だから、熟考した上でないといけないね。――お前がそんな感情家で、一生孤独な生活ができるとは思われないし」

と、初めてしんみり云った。

「それは自分も知っているの。――考えるだけはもう一年も二年も、もっと永く考えていたわ。でもね、私はもう理窟ぬきにやりきれなくなっているの。魚が水のない場所に生きていられない――それを、魚がわるいっていう人はないでしょう?――人も同じ場合があると思うわ」

「いずれ、明日でも会うだろうが、よく考えた方がいいね――結局、まあ、その方がいいことになるかもしれないが……」