Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
岩五郎の持っている苫舟を、堀の茶漬屋のお客に、貸したっていうのが、何と、指を繰ってみると、ちょうど堀留にあの大い騒ぎが起った前の晩です」
「大金をとったのか。貸しちんは」
「何でも、茶漬屋のおかみが、仲へはいっての相談だというこってす」
「木更津船は、大川へ、何度はいる?」
「さ、親船は、月にいちどぐらいなもんでしょうが」
「分っているだろうな、岩五郎の木更津の家は」
「網元もやっているし、かくれもねえ船持です」
「まず、あしはついたな」
「おめでとうございます」
「ばかを申せ、これからだ。……が、他言は無用だぞ」
「仰っしゃるまでもございません」
「褒美に、吉原へ連れて行ってやろう」
「ごじょうだんを。……旦那も一しょに、うちの女房に、追ン出されますぜ」
「いや、今夜一ばん、貴様は借りものだ。女房にはおれから渡りをつけておく」
「ほんとですかい」
「ただし、舟だぞ。――酒に、火桶、座ぶとんなど、入れておけ」
左右太は、階下へ降りて、源吉の女房と、何か、笑い声で交渉していた。諒解がついたとみえ、
「源吉、おゆるしが出たぞ」
笑いながら、軒端を出た。
――と。出あいがしらに、
「左右太さま。