Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
瓦版
「その、貰い子の実家先は、何といったか、訊かなかったか」
「あの……秋田淡路守様の御家来で、今村要人とかいう人ですって」
「では、間違いなしだ! ……。お次さん、おまえの姉だといって、いつぞや家へ帰って来た島破りのお島は、いま、越前守様の苦悩の中心になっているあのお袖という女と、実の姉妹だぞ」
「えっ。ほ、ほんとですか」
「そなたとは、ただ、名だけの、姉妹にすぎないが、お袖とは、血もひとつ、両親もひとつの、真実の姉――妹だ。お袖は、お島の妹だった」
「どうしてそれが分りましたの」
「仮吟味のお白洲で、お奉行が、調書の表からそういったのだ。おれも愕然としたが、お袖もそのとき、びくっと顔をあげた。おそらく、自分にそんな姉のあることなんか知らなかったに違いない」
「まあ」と、お次は、ありッたけな瞼をみひらいて、心の驚きを、左右太の顔へ映しながら――
「どうしましょう。それでは?」
「どうしようかって? ……何を」
「そのお島姉さんが、また、使い屋に手紙を持たせて、どうしても、もう一ぺん、お前に会わなければならないことがあるから、三叉の菖蒲橋まで私に来てくれといってよこした……その返辞を」